「郵趣」2013年12月号・一番切手に魅せられて

公益財団法人日本郵趣協会発行の雑誌「郵趣」に連載の、「一番切手に魅せられて」が、2013年12月をもちまして連載終了となりました。
この場をもちまして、ご愛読頂いた皆様へ感謝の気持ちを申し上げます。
誌面掲載のタイミングで切手のカラー図版をWebで少しだけご紹介していましたが、執筆の時間がなくなった代わりに、未紹介分も少しずつ紹介していきたいと思います。

本題の、2013年12月号(最終回)で紹介した切手です。
2013年12月時点で最も新しい独立国、「南スーダン」を取り上げました。

southsudan

「郵趣」を購読されていない方もいますので、説明をしておきます。
2011年7月9日に、(旧)スーダンの南部が独立した国になります。自衛隊のPKO活動で派遣されていますので、名前だけは聞いた事がある方も多いはず。
19世紀、スーダンの北部はエジプトが、南部はイギリスの統治でした。1898年から南北スーダンを共同統治する事になりました。第二次世界大戦後に南北の分割の話もありましたが、結局は統合する事になりました。
1956年に独立しますが、その前年から南北間で内戦が勃発。南部に自治権を付与する事で内戦は終結しますが、その後も北部が南部を経済的に支配する構造だったり、1970年代に発見された油田の利権を北部が独占しようとする動きもあり、1983年に内戦が再び生じ2005年にようやく停戦。その時の合意で、6年後に独立か現状維持か判断する住民投票を行う事が織り込まれ、その結果南スーダンの独立が選択されました。

アフリカ諸国や中南米を中心として、海外郵政の通信販売が発達していない国々もあり、決済時のリスク回避からも、「郵趣」に掲載されている「世界切手ニューズ」を利用する事が多いです。
しかしながら、独立後2年以上経過しても掲載の見込みもありません。並行してeBayなどの海外の入手手段もチェックしてもかなり高額な金額での取引ばかりで、手を出せませんでした。

2013年7月に海外のオークションサイトで比較的安価(といっても、1000円単位)で販売されているのを見つけました。南スーダンの南側の隣国ウガンダに居るディーラーと言う事で気になりましたが、PayPalでの決済を行っているので着かなかったときは何とかなると思い注文しました。
少し時間は掛かったものの無事到着したのは良かったのですが、なぜか中国の北京からの発送になっているという謎が残ります。実逓カバーも一緒に購入しましたが、もしこれが北京にあるジュバの消印だったら…という疑念も感じてしまいました。
そして、入手した頃は記事のネタのために自転車操業で一番切手を買いまくっていたので、財布の中身が大変になった事は今となっては笑い話です。

最後に、スーダンで最初に発行された切手を紹介しておきます。
エジプトの切手に「SOUDAN」の文字を加刷したものです。

sudan-001

あとは、南北スーダンが共同統治されたときの最初の切手と、スーダン独立後の最初の切手を入手しないといけないのですが、「努力目標」となっています。