大胆な額面表記エラー

梅雨時期や天候が悪い休日。
特に何もすることがなければ、手元にあるカタログをパラパラとめくって新しい発見をすることもあります。
特に、メインで収集している「一番切手」は占領地や地方発行のマイナーなエリアを知るために、メインナンバー以外の部分(「BOB=バック・オブ・ザ・ブック」と言います)をめくることも多いです。
先日入手した切手から、メインナンバーのカタログの細かい記述までを見る大事さを改めて思い知る事になりました。

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1974年にタイから発行された国立博物館100周年記念切手。
一瞬見ると、博物館の収蔵品を描く落ち着いた美しい切手というだけの印象しかありませんが、意外な一面を持っています。

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何と、額面の表記を間違えています。
青75ST(サタン)切手以外の、2バーツ、2.75バーツ、3バーツ切手の英語での通貨単位表記が本当は「BAHT」であるはずなのが、「BATH」になっているのです。「BATH」って、英語で「風呂」ではありませんか…。
通貨単位の誤表記であれば、発行前であれば発行日を遅らせて正確な表示にして発行し直したり、発行後でも回収して再発行の対応をするケースもありますが、この切手に関しては間違いを犯したまま発行したまま、放置の状態されています。
南国のおおらかさなのでしょうか、それとも再発行のコストを考えて「見て見ぬふり」をしたのかがとても興味があります。

1974thailand-scott  

この誤表記については「スコット」カタログでも赤枠部分のように、額面表記のエラーであることをきちんと説明しています。その部分のコピーも掲載しておきます。2005年版のモノクロ時代の古い物であることはお許し下さい。
所持しているカタログの発行から年数が経っているのでカタログ評価も上昇しているとは思いますが、見つかれば比較的手ごろな価格で購入できました。カタログを丁寧に紐解けば、このような手頃な「エラー切手」を見つけられるかもしれませんが、やはり時間的な兼ね合いや「見落とし」も生じると思います。そうなると、知識を持っている人からの情報も大事になります。
今回も、販売していた切手商のリストでエラーであることを表記していたので購入に至りました。

※この記事は、私の所属団体の「日本郵趣協会鹿児島支部」のブログにも同時投稿致します。