日本・特定信書便切手

10月に郵政民営化して、最初の切手が出ました。
残念ながら、私はまだ買っていません。
日本郵政の通販のページでは取り扱っていないので、どこかで買わねばと思うのですが…。

民営化以降の切手は、「民間企業」が出した切手ということになりますが、日本で始めて「民間企業」が出した切手ではありません。

ひとつは、明治時代に、サザーランド切手という外国人居留地でイギリス人が経営していた会社の私設郵便用の切手が出ていました。

こちらは現存10数枚という珍品なので、私の手には届きません。

もうひとつが、こちら。


厳密には「郵便切手」とは言えない代物ですが、民間会社で切手を発行した例として挙げておきます。
2004年5月6日、「特定信書便」の営業を行っていたQ-POSTという会社から発行されました。ちなみにこの会社はバイク急便の子会社でしたが、2006年7月にバイク急便と合併しています。

特定信書便とは、信書(ある特定先に向けて作成した書類)を「3時間で配達する」とか、「1件当たり1000円を超える料金」
とかいった一定の条件を満たす場合、民間会社でも取り扱えるようにした制度です。
この「切手」、840円の切手が横2枚×縦5枚と10枚入ったシートに収められていました。
しかも、図案がすべてバラバラで、縦長の切手もあれば横長の切手もあるといった有様。
普通の郵便切手ではありえないレイアウトになっています。
が、ごめんなさい。シートでは持っていません…。

私が持っているのは初日カバーのみ。

とりあえず、実逓便です。

Q-POSTから親会社のバイク急便まで実際に運んでもらいました(左上の時刻が受け取りと配達の時間です)。

このときの顛末を書いておきます。

但し、パソコンのハードディスクがクラッシュしてしまって、当時の記録がない状態。私の大まかな記憶になりますので、一部あやふやな所があるかもしれませんがお許しください。

Q-POSTから切手が発行されるを知ったのは、2004年4月下旬の確か25日前後。情報源は一般のニュースからでした。
発行までわずか10日程度。しかも大型連休が待ち構えていました。あまりにも時間があまりにも無さ過ぎるため、
早急にQ-POSTと連絡を取り初日カバーが作成できるか聞いてみました。回答は、切手をシートで買えば対応するとの事。
ただ、消印は民間企業でも使っているナンバリング式のゴム印という事もあり、
迫力が無いため実際に配達を行ってもらえるか確認を取ったところ、
Q-POSTからバイク急便への配達で対応をしてもらえるという回答をもらいました。
私が連絡を取った段階(報道発表の翌日)は、まだ郵趣家からの問い合わせがほとんど無く、
Q-POSTの中の人もどのような対応を行ってよいか分かっていない状態でした。
発行日までに、銀行振り込みや封筒の到着確認など、何回かQ-POSTと連絡を取り合っていました。

話をしたところ、通常は料金支払いは現金で行っているようですが、「特定信書便」という制度があるのをPRするために発行されたとの事です。

そのため、収集家向けに第2弾以降の発行を考えているような事は無かったようでした(実際、発行されていないようですので)。

※最後に
この切手は、カタログ等にも掲載の無い物になります。
厳密に「郵便切手」と呼ばれる物は日本では日本郵政が発行された物だけになり、今回紹介したQ-POSTの「切手」は「ラベル」
と呼ばれます。一部の収集家は切手の形状をした「ラベル」も収集対象としています。
私は「収集対象」として取り扱って、記事を掲載していますが、あくまでも個人の判断です。
あらかじめご了承いただくよう、お願い致します。